「共テ小話」は、共通テストの中でつまづきやすい語句問題を詳しく解説しつつ、ちょっとした言葉のお話をするコーナーです。
「はかなくしなしたる」とは
品詞分解
「はかなくしなしたる」は「はかなく/し/なし/たる」と品詞分解できます。
文法的に説明すると下記のようになります。
はかなく:ク活用形容動詞「はかなし」連用形
し:サ変動詞「す」連用形
なし:サ行四段活用動詞「なす(為す・成す)」連用形
たる:完了・存続の助動詞「たり」連体形
解釈
「はかなし」は「しっかりしていない」みたいな意味合いで捉えます。現代語の「はかない」と似たような感じです。
「しなす」は複合動詞として捉えても良いですが、サ変動詞の「す」と、動詞の「なす」が続いている形で、「〜するようにする・させる」→「仕立て上げる」という感じです。「たる」は完了・存続で「〜ている・てある」なので、「はかなくしなしたる」全体としては「しっかりしていない感じに仕立ててある」と解釈できます。
選択肢の吟味
①かわいらしく飾ってある
②崩れそうな様子である
③形ばかりしつらえてある
④こぎれいに手入れしてある
⑤いつの間にか枯れている
→正答③
「小柴といふもの」に係っているということしか文脈があまりなく、文脈から絞っていくというのも難しいのかなと思います。小柴ってなんやねん! 注釈つけてほしい(多分文脈からして、家の周りにある小さめの生垣的なやつでしょうか)。
④、⑤は「はかなく」の意味から外れ、②は「しなしたる」からズレます(②のみ、「である」になっていて、「ている・てある」が入っていないというのもちょっと手掛かりです)。①が一番微妙で、「はかなく」は「かわいらしい」に繋がらないこともないな〜と思いますが、やや正答の③に比べて意味が離れるのと、「小柴」に対しての形容としてはあまり適切ではなさそうな点で、③に正答の分があるかな〜と思いました。
ことばのお話
正答の③「形ばかりしつらえてある」は「しなしたる」を上手いこと訳出してるな〜と感じました。
私も古文を訳出するときに時々試みますが、「しなしたる」のような複合動詞を別の現代語に上手いこと置換できると、その分こなれた訳出にできることが多くあります(上記では「仕立ててある」とやりました)。
この場合、古文をまずはパーツごとに逐語訳して、頭の中でつぎはぎに繋げ、それを置換できる現代語があるかを考えるという手順を取ります。そのときに現代語の語彙をたくさん知っていると、その分置換の精度が上がります。これは英語を訳すときとかも一緒ですね!
どうしても我々は母語で考える枠組みから逃れることが難しい気がしますので、母語である日本語の語彙を増やしておけると、考えるうえでもきめ細やかに、柔軟に対応できる範囲が広がる気がしております(いったん日本語を母語とする読者を想定した記述)。
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