このページは、2025年度大学入試共通テスト本試験 国語 大問3(実用文)の解説です。
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解説
選択肢の吟味において、「×・△・?」を選択肢の該当箇所に付けていきます。×は「これはちゃうやろ」、△は「ちゃうかもしれん」、?は「びっみょ〜」って感じです。
問1 正答②
図1〜3と照らして落ち着いて読むことができればなんとかなる気がします。図が示していることに反しているやつを順番に外していけば大丈夫です。
選択肢の吟味
①「『インフォームドコンセント』については、他の語に比べて多くの人が外来語のまま使用するほうがよいとしている」が×です。逆、逆! 「外来語のまま使ったほうがよいと思いますか」という質問に対して、「インフォームドコンセント」に関しては「そうは思わない」の割合が(他の語に比べて)高いです。
②正答です。図2では、「インフォームドコンセント」は「言い換え語のほうがわかりやすい」という回答が多いとわかりますので、図1と併せて「言い換えを肯定的に捉える割合が他の語より多い」と言えます。
③「『インフォームドコンセント』については、『言い換え語』に対する年代ごとの意識の差が他の語より大きい」が×です。図3は「インフォームドコンセント」に関する年代ごとの意識の差を示していますが、「インフォームドコンセント」以外の他の語の「世代ごとの意識の差」を示しているデータがないため、判断できません。
④「『インフォームドコンセント』については、もとの外来語のほうがわかりやすいとする割合が、年代が下がるほど高い」が×です。20代→10代にかけて、「もとの外来語がわかりやすい」という割合が下がるので、「年代が下がるほど高い」の反例となっています。
問2 正答④
傍線部Aは「そうした状況のなかで」からつながりますので、「そうした状況」を押さえておきましょう。「インフォームドコンセント」は「医師の十分な説明をもとに患者が納得したり同意したりして、両者が医療に臨むこと」という意味合いですが、「当時、その概念は浸透していなかった」わけです。そんな状況で、「この言い換えの提案」に「意義があった」と言っていますので、想定としては、「この言い換えの提案を通して、医療現場における「インフォームドコンセント」の概念の浸透に寄与した、といった方向性かと思われます。
選択肢の吟味
①「外来語を身近な日本語に言い換えるという発想を広めようとする点で意義のある」が△です。「当時、インフォームドコンセントの概念が浸透していなかった状況」からズレています。
②「医師の使う外来語を患者が適切に理解した場合の効果を社会に伝えようとする点で意義のある」が△です。「インフォームドコンセント」の概念が広まったこと自体に意義の中心があるので、「外来語の適切な理解によるメリット」ではありません。
③「患者の訴えを医師が十分に理解して受け止めることも重要性を確認していこうとする点で意義のある」が△です。こちらも②と同様に、インフォームドコンセントが実施されることのメリットになっています。
④正答です。「あんまりインフォームドコンセントが理解されていなかった状況で、この提案によってインフォームドコンセントの概念が理解され、社会に流通することに寄与したという点で、この提案は意義があった」ということですね。
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問3(i) 正答④
これややこしいっすね……。各選択肢と資料Ⅲのグラフを頑張って照らし合わせていくより他ないかな〜と思います。
選択肢の吟味
①〜③適当です(正答ではない)。なんでグラフの横がズレてんねんと最初は思いましたが、同じ(世代の)人が含まれる母集団の経時的変化を見やすくするという手法なのですね。にしてもややこしいとは思いますが……。
④「外来語が増えるのは当然だ」とした二〇〇二年の六〇歳以上(42%)と比較して、同二〇二二年の六〇代(60%)、七〇代(49%)、八〇代(44%)は「割合が低くなって」いませんので誤りです(つまり正答です)。
問3(ii) 正答②、⑤
なんでこれ設問分けへんのやと思いましたが、なんか三択以下にすることは許されないのかもしれませんね。全体的に、「各資料から言える加筆になっているか」「与えられた課題に対応する修正になっているか」が判断材料となります。
選択肢の吟味
①資料Ⅰと資料Ⅱに含まれる内容では、「言い換えを求められた外来語がその後どれだけ定着したか」を示すことはできません(含まれるデータが足りません)。
②正答です。資料Ⅱの内容は【文章】の二段落目で触れられていますが、「インフォームドコンセント」の基本的な内容に触れるのみで、言い換えの提案の際に手引きなど具体的な記述がなされていたことに触れられていません。この点に触れることで、よりインフォームドコンセントの言い換え提案の具体なイメージを持つことができ、読者が分かりやすいと感じる可能性が高まります。
③資料Ⅲでは、「外来語を頻繁に使う人が増加していく傾向にある」とは述べられません。「外来語が増えるのは当然だ」に対する価値判断であり、「外来語を頻繁に使っていますか」という事実調査ではないためです。
④〜⑥大問冒頭のリード文から、与えられた課題は「わかりやすい言葉づかいについて自分の考えを書く」というものなので、これに対する答えになっているものを選べば⑤になるかと思います。④「一つ一つの外来語の意味を適切に理解していくことが重要だ」⑥「医師の使う用語の概念が患者に伝わるかに注目することが重要だ」は、「わかりやすい言葉づかい」という主題からややズレています。
読解後のつれづれ
今年度から実装された実用文でしたが、独立した大問にしたのは割と良かったのではないかなと思います。なんでかっていうと他の大問に無理やり組み込まなくて良くなったから。笑 いろんな文章があるし、「加筆・修正」といった切り口などは、言葉を使っていく上では重要な観点なので、それを入試の設問として問うということ自体は悪かあないと私は思っています。
それはそれとして、まだ慣れないので難しいなぁと思いながら解いておりました。笑 また実用文の解説記事も書こうと思います。お楽しみにいただけますと幸いです。お疲れ様でした!





