このページは、2025年度大学入試共通テスト本試験 国語 大問4(古文)の解説です。
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解説
選択肢の吟味において、「×・△・?」を選択肢の該当箇所に付けていきます。×は「これはちゃうやろ」、△は「ちゃうかもしれん」、?は「びっみょ〜」って感じです。
問1
(ア) 正答②
「いはけなし」は「幼くてかわいらしい」のような意味合いです。「より」は「〜から」なので、②「幼いころから」となります。文脈としても、(父である右大臣が)「幼いころからまたとなく子のことを思い始め、ここまで思い続けてきました親心を」というように通ります。
(イ) 正答①
「なかなか」は「かえって」が定訳なので、そのまんまです。大君の容態が少し直って、目を少し開けなさったところ、右大臣はかえって焦り驚いて慌てふためいて、という感じですね。
(ウ) 正答③
「ののしる」が「大声で騒ぎ立てる」という意味なので、それだけでも③に絞れそうなものです。大君は病によって大声で叫んでいたところ、(原因であるもののけが外に出たので)今となっては意識を取り戻したところ、人々に注目されていたので恥ずかしがった、という流れです。
問2 正答②
なんか間違えました(③を選びました……)。活用によって丁寧語用法があるのは「おはす」ではなく「給ふ」ですね……勘違いしてしまいました。古典文法が薄れてきてしまっている。
ちょっと解釈に自信がないのですが、大君が病に伏せっているので、全く落ち着いていられない右大臣に対して、山の座主が「(大君は)今は変な感じではいらっしゃらないだろう」と言って落ち着かせている、という場面かと思いました。
選択肢の吟味
a 数珠を揉んで法華経の一節を読んでいるのは山の座主で、尊敬語(主語への敬意)なので「筆者→山の座主」です(よって④・⑤が不適)。
b 上述の通りです。尊敬語(主語への敬意)であり、「けしうおはせじ(変な感じではない)」主語は大君、山の座主のセリフ内なので「山の座主→大君」かと(よって③は不適)。
c 「きこゆ」は謙譲語なので目的語への敬意です。「人々が大君を見つめ申し上げている」ですが、地の文なので「筆者→大君」です(よって①も不適)。
問3(i) 正答④
そもそも、初読では私もあんまり文章Ⅰを読みきれなかったので、ここの対話文や文章Ⅱから逆算して文章Ⅰの理解度を上げていくという感じでした。
文章Ⅱでもののけのセリフと思われる「人はみな去りね。〜さらに知られじと思ひつるものを。」から考えます。正直なところ途中のところはあんまり何言ってるか分かり切れず、「ものの心苦しさをえ見過くさで、つひに現れぬること。さらに知られじと思ひつるものを(心苦しい気持ちを見過ごすことができなくて、ついに現れてしまったことよ。絶対に知られまいと思っていたものを)」から多分こうだろうと考えました。おそらくもののけは「かつての光源氏の恋人」がもののけとして立ち現れたものであり、文章Ⅰにおいても同じ構造になっているんじゃないかな〜という感じです。
選択肢の吟味
①「まわりの者がみな自分を恐れて去ってしまったので」が△です。「人はみな去りね」は命令形なので、「他の奴らはどっかいけ、光源氏のみのお耳に申し上げたい」という意味合いです。
②「妻のために自分に謝ろうとする光源氏を憎らしく思う」が?です。光源氏は妻のために必死に心を砕いているようですが、「もののけ(かつての妻)に謝ろうとしているとは読み取れません。
③「苦しんでいる様子を間近で見たいので」が?です。「いにしへの心の残りてこそかくまでも参り来たるなれば」は「かつて光源氏を愛した心が残っているからこそここまで参上したのであるから」というような意味合いで、「妻が苦しんでいる様子を見たいので来た」とは言えません。
④正答です。上述の通り、もののけのセリフ末尾から取っています。
問3(ii) 正答②
一つ前の設問によって、文章Ⅰの大君が寝込んでいることや、原因となっている「もののけ」にも、別の女性が関連していそうだ、と推測ができます。ほいで、文章Ⅰに出てくる女性と言ったらもう女君しかいません。文章Ⅱと異なり、女君はおそらく死んでいないと思いますが、どちらにせよ左大臣との関係が途絶えた女君の苦悩が、今現在左大臣と関係を持っている大君に降りかかっている、と捉えるのが良さそうです。
最後の設問にも関わりますが、父殿(右大臣)は苦しむ大君の様子を見て、「思ひかけぬ人(つまり、右大臣の妹である女君)に似たまへるかな」「違ふべくもあらぬ(間違えるはずがない)」と思っています。これは、女君が左大臣のことで苦悩している思いが、もののけとして大君に取り憑いているためです(この構造が文章Ⅱと共通です)。和歌の内容からしても、設問の焦点となっている和歌は左大臣への思いを胸に焦がし、やる方がない女君の気持ちがこもったもののけの言葉と捉えられます。
選択肢の吟味
選択肢も短いので、上述の解説に代えさせていただきます。
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問3(iii) 正答④
「和歌の前後も考え合わせると」なので、上記の(ii)の解説内容と一緒に見てくださると幸いです。
和歌の前後を解釈すると、「妬ましそうなひたいの様子は、左大臣はそうだとお分かりにならなかったが、右大臣はとても不思議がって『思いもよらない人(女君)に似ているなあ』と、不思議にお思いになるところ」「(和歌)とおっしゃる様子、全くその人(大君)ではない様子で、(女君だと)間違えるはずがない様子であるのを、右大臣のみか、何度も『不思議だ』と首を傾げなさる」という感じです。よって、苦しむ大君の様子が女君のようであることを、父である右大臣は気づいていると読み取れます。
選択肢の吟味
①全体的に誤りです。「出家を決意している」とかも本文にありません。
②「女君の仕業だと左大臣は気づいていますね」「大君はもののけから解放されず亡くなってしまい、右大臣は着物を引きかぶって悲しみに暮れています」が×です。
③「女君だとは気づいていないですね」が×です。右大臣は気づいています。
④正答です。後半も、最終文において「はしたなし」と思って衣を引きかぶったのは大君なので、適切な内容です。
読解後のつれづれ
本文理解がそのままでは難しい印象でしたが、対話文や文章Ⅱの内容、設問の内容から文章Ⅰの内容を補完して理解し戻していくという感じで解いていくのがよいのだろうなと思いました。文章が理解できなくても設問を解き進めることで道が開けてくることもあるということは胸に置きつつ、諦めずに解き続けていきましょう!
個人的にはもののけを駆り移された童はどうなんねんと思ってました。若いから免疫力でどうにかするんでしょうか……。
ではでは、この度もお疲れ様でした!





