このページは、2025年度大学入試共通テスト本試験 国語 大問5(漢文)の解説です。
この年度の全体概説を見ておきたい方はこちら
解説
選択肢の吟味において、「×・△・?」を選択肢の該当箇所に付けていきます。×は「これはちゃうやろ」、△は「ちゃうかもしれん」、?は「びっみょ〜」って感じです。
問1
(ア) 正答③
おそらく「汝(なんぢ)」から氵が取れたやつですね。文脈としても、孔子が子貢に対して、「賜よ、あなたは私のことを、多くのことを学んでこれを知っている者だと思っているのか」と聞いた、となって通ります。
(イ) 正答①
子貢が先ほどの孔子の問いに対して、「そうです。違うのですか」と聞いています。書き下しはおそらく「然り。非ざるか」です。
(ウ) 正答④
普通に「毎日」の「毎」なので「つねづね」にしました(合ってました)。文脈としても、「故淇園先生はつねづね本を読むことについて次のように言っていた」という感じです。
問2 正答④
ちょっとややこしいですが、傍線部Aの前に「是の故に」とありますので、前一文を解釈できれば大丈夫です。「(私が)思うに、孔子先生はいつも、子貢が孔子先生を称する言葉を聞くところ、様々な古典を多く学び、これを書き写してその文を記憶し、それによってその人徳を成し得た人だと捉えているようだ」となります。「孔子先生はいっぱい古典を読んで覚えて人徳を得たのだ」というようなことを子貢がよく言うので、孔子は「そう思ってんのか、違うよ」と言ったわけですね。
選択肢の吟味
④以外は上述の解釈に外れます。書き下しがややこしいですが、頑張って書き下せればなんとかなるかと。
問3 正答②
直訳すると、「日に数ページを読み終えることは、日に数文字を知り会得することに及ばない」となります。「AはBに及ばない」は、「Aの方が低い(比較的良くない)、Bの方が高い(比較的良い)」なので、「日に数ページ読み終えることは比較的良くない、日に数文字を知ることの方が良い」となります。
選択肢の吟味
①「音読する」がどこから出てきたのか不明です。「読了」なので、正答の「読み通す」の方が適当です。
②正答です。
③④「不如(及ばない)」の関係が逆になってしまっていますので不適です。「知得数字」の方が良いです!
—–スポンサーリンク—–
————————
問4 正答②
やや難しかったです。「博は」までは共通として、最初は末尾の「謂」の扱いがよく分かりませんでした。
文法的に考えて、「不」は直下の語句を否定しますので、③や④の「謂はざる」とするのなら「不謂」の順番になってないと変だな〜と思い、疑ってかかりました。そこで「不」はあくまで「不通達」で「通達せざる」というまとまりをつくるとして、①・②で考えました。
そこで文脈を見まして、「是(本を多く読む者を博学として敬うこと)は、多く知ることをもって博学であると言うことができないということを知らないのである。」となります。つまり、「いっぱい知っていることは博学と言えない。(傍線部C:博学というのはこういうことを言うのであり、)一冊の本に精通するのもまた博学と言うことができる」というような内容だと推察できます。この文意に合うのが②で、「博学とは、通達しないところがないことを謂うのであって」となります。
選択肢の吟味
上記に代えさせていただきます!

問5
こ〜れ厄介でした。とりあえずそれぞれの「また」がどんな風に言い換えられるかを考えて恐る恐る選んだら合ってました。配点も低いので、あんまり時間を使わないでさっと解いちゃうくらいでいいかと思いました。
a「又」 正答④
多分「and」みたいな「また」だと思いました。「複数の古典を学び、そしてそのうえで(=and)記憶して」のような意味合いです。選択肢は「友であり、andライバルである」って感じです。
b「亦」 正答③
「それはそれで」みたいな意味合いかな〜と思いました。傍線部は「(一巻の本に精通すること、)これは狭く見通しが悪いように思えて、それはそれで実は博識に至る道である」、選択肢は「勝負では、運もそれはそれで実力のうちである」みたいな。う〜ん、これで合ってたから良かったけどね。
問6 正答④
各選択肢の末尾、①・②が「両者の考えは対立している」であり、③・④は「両者の考えは通底している」なので、まずどっちかを考えます。が、普通に両者ともに、「多くをやたらと学ぼうとするのではなく、一つのことをしっかりやった方が良い」というような内容になっているので、「通底している」で良いのではないかと思います。
選択肢の吟味
正直なところ、正答である④以外はほぼほぼ本文にないことを述べている気がするので、「ここが合っていてここが合っていない」という吟味がしづらく、ちょっと選択肢を逐一見るという感じではないので割愛させていただきます。本大問割愛が多くて恐縮ですが、何卒!
読解後のつれづれ
比較的スタンダードな設問構成でした。文章は二つあったものの、シンプルに「対立するか、共通するか」という設問だったので、そこまで込み入った斜め読みをしなくても大丈夫でしたね。どちらの文章も「いろいろ手を出すのではなく、限られた範囲をしっかり学ぶほうが良い」という方向性でしたので、その理解の軸ができればそれぞれスムーズだったかと思います。
ちょっとした邪推なのですが、文章Ⅱの二重傍線部bの直前の「狭隘」に注が付いてないのは、大問1の評論で、「隘路:狭くて通りにくい通路」という注が付いているからなのでしょうか。「隘」という漢字が「狭い」という意味を持っているのであれば、「狭隘」は似た意味を重ねた熟語なのだなと推察できます。それを踏まえて問5bの解説では「狭隘」を「狭く見通しが悪い」と訳してみた感じです。
まぁ邪推なのでそうでもないのかもしれませんが、そういうことを考えるのもまた面白い気がしており。そうやって知っている言葉が増えていった方が、いつかどこかでスムーズな理解につながるかもしれません!
そんなわけで、今回もお疲れ様でした!





