こちらは2026年度大学入試共通テスト本試験 国語の全体概説速報です。
本サイトの運営者(京大文学部大学院卒の国語教員免許保持者(ただし教員ではない))ががんばって解いた結果、こんな風に思いましたということを書きます! 自分が間違えたところって簡単だったのか難しいところだったのかを何となく感じてください。
大問1(評論)
櫻井あすみ「『贈与』としての芸術・ABR」より。やや抽象的な議論がなされている箇所もありますが、筆者の経験や具体例を適度に織り込みつつ、話を抽象化していく論理展開になっていたので、比較的理解はしやすい課題文だったかと思います。設問としては標準程度の難しさで、問題によっては少し難しいものも含まれていました。一つの課題文に対して順番に傍線部、傍線部周辺の読解で解ける設問構成と、シンプルで「伝統的」な共通テストの形式となっており、その点では手が付きやすい大問だったと思います。
各設問の難易度(かなり主観)
問1 (ア) やさしめだが徒手空拳って何 (イ) 簡単 (ウ) 簡単 (エ) 簡単 (オ)簡単
問2 それほど難しくない
問3 それほど難しくない
問4 標準程度
問5 やや難しい
問6 標準程度
各設問の詳細な解説はこちら

大問2(小説)
遠藤周作「影に対して」より。本文自体は読みやすく、読み進めること自体に難しさは感じません。ただし、主人公である勝呂の幼少時代と現代という、重層的な描写がされているだけでなく、各時系列や時点における母の状況・心情が絡み合いつつ展開され、補足資料とともに設問にも関わっていました。かなり読解量は多いものの、登場人物の心情の機微にも触れる設問もあり、全体的にバランスの良い良大問だったと思います。私は好き。
各設問の難易度(かなり主観)
問1 割と簡単
問2 割と簡単
問3 標準程度
問4 標準程度
問5 やや難しい
問6 標準程度
問7 難しい
各設問の詳細な解説はこちら

大問3(実用文)
山形昌也氏へのインタビュー記事および大片忠明『イワシ むれで いきる さかな』の抜粋、それらに関する分析文章より。全体的にあまりひねった設問もなく、スタンダードな実用文設問と言えるのではないかと思います。情報量の多さは相変わらずでしたが、設問ごとに着目すべき資料への誘導もあり、それほど「情報を探し回る」ような時間は多くなかったのではないでしょうか。最後の「今後の方針」を考えさせる設問だけ、やや難しい印象を受けました。
各設問の難易度(かなり主観)
問1 割と簡単
問2 簡単
問3 標準程度
問4 やや難しい
各設問の詳細な解説はこちら

大問4(古文)
『うつほ物語』より。登場人物がかなり多く、呼び名も複数あるため、それらの整理が一番の課題とも言えました。家系図は標示してくれているので、それも活用しつつ、敬語の使用対象かどうかや、各人物間の関係を逐一確認しつつ進めた方がよさそうです。設問としては文法的な読みを問うものがやや多く、しっかりと文法知識がついているかで、解くスピードや得点率に差がつきそうな大問となっていました。設問中に別の文章が提示されてはいますが、補助的なものであり、そんなに交差した読みが必要なものでもありませんでした。
各設問の難易度(かなり主観)
問1 (ア) 割と簡単 (イ) 標準程度 (ウ) 割と簡単
問2 割と簡単
問3 割と簡単
問4 標準程度
問5 やや難しい
各設問の詳細な解説はこちら

大問5(漢文)
長野豊山『松陰快談』より。二年連続となる日本の漢文からの出題となりました。本文としてはかなり読みやすく、返り点を辿っていけばサクサク読み進められるものでした。設問としてもバランスが取れており、複数の形式で基礎的~標準的な読解をまんべんなく問うていました。句法の基本的な知識がついていれば最低限得点できたと思いますし、比較的点を伸ばしやすかった大問かと思います。
各設問の難易度(かなり主観)
問1 (ア) 標準程度 (イ) 割と簡単
問2 割と簡単
問3 やや難しい
問4 簡単
問5 標準程度
問6 やや難しい
問7 標準程度
各設問の詳細な解説はこちら

全体的な所感
全体としてはサプライズもそれほどなく、全ての大問を通してスタンダードな出題傾向になっていたのではないかと思いました。こういうので良いんだよ。
本試験における実用文の出題も2年目となり、傾向と対策としてもつかみやすくなってきた印象です。やはり読解量の増加傾向は安定しており、これ以降読解量が減るということはあまり考えづらいのではないかと思います。古文・漢文をスピーディーに終わらせ、実用文を片付け、評論・小説にある程度時間を残す……のような戦略がいいのではないかな~と思う気持ちが強くなりました。
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