大学入学共通テスト 国語2024本試[4(漢文)]解説

このページは、2024年度大学入試共通テスト本試験 国語 大問4(漢文)の解説です。

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目次

解説

選択肢の吟味において、「×・△・?」を選択肢の該当箇所に付けていきます。×は「これはちゃうやろ」、△は「ちゃうかもしれん」、?は「びっみょ〜」って感じです。

問1 正答⑤

とりあえず、四行なので絶句です。で、押韻に関しては基本的にその漢字の音読みの母音の響きが同じなら押韻できていることになります。今回は「堆(タイ)」「開(カイ)」「来(ライ)」で「ai」の響きが同じですので、押韻できていることになり、⑤が正答です。

問2

(ア) 正答①

割と知識問題かと思います。日本史で言えば農民みたいな感じですが、いろいろな姓の人々、みたいな感じなのかもしれません(ちょっと厳密にはわかってないかもです)。

(イ) 正答④

間違えました! 知らなかった。「人口に膾炙する」で、現代語でも「広く知れわたってもてはやされている」という意味だそうです。「膾」はなますで「炙」はあぶりにくで、これらは誰の口にとっても美味しく感じるというのがフレーズの由来だそうです。へぇ〜。

(ウ) 正答①

ほとんど「因って(よって)」の意味合いなので、「そのゆえに=そのため」です。それ以外は文意にもあまり合いません。

問3 正答④

これ合ってたんですが、どうやって選んだかと言われると説明が難しいな〜と思っています。笑

「玄宗は遠方の物を取り寄せて妃を喜ばせる」に続き、傍線部内終わりの「顧みず」に続いているので、「(妃を喜ばせるために)人命が絶えても顧みない(気にしない)」みたいな内容なのかな〜と思い、そのカタマリを作るようにしました。すると、「人力を窮む」「人命を絶つ」「顧みざる所有り」というまとまりができ、それを繋げている④が正解かな〜と。

この手の問題を解く際は、漢文句法・文法の知識から漢字の読む順番を復元する方法、前後の文脈から内容を推測してからそれに合う書き下し文を手がかりにする方法、漢字から概ねの意味を推測してまとまりを作る方法などいろいろあります。その辺りの総合格闘技でもあるので、いろいろ解いてみる必要があるかと思います。

選択肢の吟味

それ以外は選ぶのが難しいため、上記に代えさせていただきます。

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問4 正答④

【資料】Ⅰ・Ⅱを踏まえた解釈、ということなので、それぞれの資料から重要な箇所をピックアップしていきましょう。

資料Ⅰでは、「楊貴妃が好んでいたライチは、中国南方の特産品だったため、公文書を届けるための早馬を中継させて七日七夜かけて(腐らないように)都に届けさせていた」というような内容が読み取れます。

資料Ⅱからは、問3で見たように、玄宗が妃である楊貴妃を喜ばせるために、人の労力や命をいとわずに遠方のものを取り寄せていたことがわかります。

「一騎紅塵妃子笑」は直訳すれば「一騎の馬が土埃を上げ、楊貴妃が笑う」ですが、先ほどの資料Ⅰ・Ⅱの内容から、玄宗が取り寄せさせたライチが早馬で届くのを見て、楊貴妃が笑うという内容かと思われます。

選択肢の吟味

①「玄宗のために楊貴妃が手配した」が×です。逆ですね。

②「産地へと走りゆく」が×です。漢詩の四行目は「茘枝の来たる」とあるので、ライチがこちらに来ている場面です。

③「宮殿の門の直前で倒れて砂煙を上げる」が△です。中継の馬が倒れるのも顧みずにライチは運ばれるわけですが、門の直前で倒れていては届きませんので楊貴妃も笑えません。

④正答です。

⑤「役人が茘枝を携えて」が△です。役人がライチを持ってくるといった内容は資料中にありません。

問5 正答⑤

資料Ⅲの内容としては、「玄宗は十月に驪山(華清宮)に行幸し、春に都に帰る。六月に驪山にいたことはない。しかし、ライチは盛夏に初めて熟す(夏の食べ物だ)」という感じです。ここから、「玄宗が華清宮にライチを取り寄せさせた」というのはおかしくないか?という指摘ができています。

資料Ⅳは、「天宝十四年六月一日の楊貴妃の誕生日、皇帝=玄宗(の乗り物)が驪山に行幸した。そこで披露された曲にまだ名前がなかったので、たまたま献上されていたライチに因んで『茘枝香』と名付けられた」という記録となっている文書です。これは、資料Ⅲの「六月に驪山にいたことはない」に対する反例の記録となります。

選択肢の吟味

①②「玄宗一行が驪山に滞在した時期と茘枝が熟す時期との一致によって」が×です。一致していません。

③「『茘枝香』が果物の名ではなく楽曲の名であることを述べており」が×です。「茘枝香」は果物のライチから取られています。

④「玄宗一行が『茘枝香』という名の茘枝を賞味した場所は夏の南海郡であった」が×です。場所は驪山ですし、「茘枝香」は曲につけられた名前です。

⑤正答です。資料Ⅲ・Ⅳに照らして大丈夫です。

問6 正答②

資料全体の理解から漢詩を改めて読む話になります。実際、最初に漢詩だけ読んでもあんまり理解できません。しかし、楊貴妃やライチの情報を踏まえれば、漢詩の理解度をかなり上げることができます。

資料の内容に反する内容が含まれている選択肢を外していきつつ、漢詩の表現にも反していない選択肢が正答として残ります。

選択肢の吟味

①「事実無根の逸話をあえて描き」が?です。結局のところ事実無根かは不明です。また、「憤慨をぶちまけている」もちょっと△です。当該の漢詩として、ちょっと憤慨とまでは読み取れません。

②正答です。漢詩の四行目は「これが、まさかライチが運ばれてきたのだと知る(思う)人はいないだろう」という内容で、「普通やったらライチのために早馬の中継を使うなんてアホなことはせん」ということを述べ、それをさせていた(かもしれない)玄宗を嘆いていると理解することはできそうです。

③「茘枝についても写実的に描写している」が△です。ライチについて写実的とはなかなか言えません。また「歴史的知識を提供している」も△です。資料ⅢとⅣのように、この記述に関しては複数の見解があり、どれが歴史的知識として適切かは判断できません。

④「茘枝の希少性について語られる」が△です。漢詩内の範囲では、ライチの希少性にまでは言及できていません。

⑤「玄宗と楊貴妃の仲睦まじさが際立つ逸話」が△です。玄宗の偏愛は描かれているとは思いますが、仲睦まじさと言えるわけではないかと。また「二人が永遠の愛を誓ったことを賛美している」も△です。絶句は最後にライチの話で終わるので、「二人の愛を賛美」とは言い難いかと思います。

読解後のつれづれ

細切れで複数の文章が出てきて「うへぇ〜」となった人もいるのではないでしょうか(私はそうでした)。ただ今回も、後ろの資料を読み進めていくことで漢詩の理解どうにかなるという部分が多い問題でした。後から出てくる追加資料や、設問中の文章、選択肢などを手掛かりに素材を集めて行くことで、知識問題以外は概ね解けるようになっていたかと思います。がんばって理解を組み立てていけるようになっていきましょう。。。

お疲れ様でした!!

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