文系で大学院いくってどうなの?

こんばんは。大学院文学研究科を修了したジョンです。こんな人間でも修士号は持っているもので……。

今どき、文系院生って割とレアな存在らしいですね。実際、私が通っていた京都大学文学部は、大学院進学率がバカ高いことで定評があるのですが、それでも大体25%(4人に1人)です。

https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/data/careers より(2023/3/16閲覧)

(なんか今見たところ、2022年度はかなり進学率が高い年だったみたいですね)

そんな中、人文学系の学部に属していて、大学院への進学を迷っている学部3年生くらいの方が読者にいらっしゃれば、私が修士まで行って辿ってきた正直なところをご参考にいただける部分もあるかもしれませんで、今回はその辺りを書いていければと思います。

予めご留意いただきたい点として、私は人文学系の経験しかしていないので、同じ文系でも例えば法学や経済学といった大学院のことはわかりません。悪しからず。

目次

大学院進学をするかを決めるべきタイミングについて

学部なら3年生の夏までかと思います。というのも、就活がぼちぼち始まるからです(かなしい)。大学院に行くと決めれば就活はしなくてよくなる一方、両方の可能性を残し続けるほど、だんだん両方が差し迫ってきて大変なので、どちらかに絞った方がその後のそれぞれの活動が楽になる気がします。

私は、3年の時点で大学院には行く気がしていたので、就活は正直な〜んもしてなかったです。院試の勉強は冬くらいから始めた気もしますが……。

卒論を書き、大学院に進学したら考えること

そうして卒論を書いたり、院試を受けたりする中で、「研究っぽいもの」に触れる機会も増えていくと思います。

その中で考えておきたいことは、「自分は『研究』向いてるか?」です。

研究とは、既知の上に未知を積み上げたり切り開いていったりする営為です。すでにわかっていることを知って面白がったりするのとは違います。

正直なところ、私はB4の時点でうっすら「研究、向いてないんじゃね?」って思ってました。笑

専門とする言語学のことは好きだし面白いけど、それは自分が言語のことをよく理解できるようになるのが面白いのであって、自分が新しいことを見つけていく(見つけようとする)ことを面白がれているのではないのでは?と。

ただ、就活もしてないし院試にも受かっていたので、修士には進むより他はありません。言語学は面白いし、まぁ〜修士まではなんとかなるかと(学部で1年留年するよりは、修士で2年過ごした方がいいかなとも思いました)。

かくして私は、博士課程には進まないんだろうなと思いながら、修士課程の門を叩いたわけです。

博士課程進学を決めるべきタイミングについて

私は進学時点で決めていたのですが、博士に行くかについては、M1の時点で決めておいた方がいいと思います。なんでかというと就活がぼちぼち始まるからです。(あらら)

就活ばっかり言ってすみませんが、どの段階にせよボトルネックになるのは進学か就職かという岐路のタイミングです。就職するならある程度ちゃんと就活はした方がいいし、期間もある程度必要です。悔いのない選択のために、早めに決めておく方が個人的にはおすすめできます。

修士まで行ってよかった?

就職するなら学部卒ですればいいし、研究するなら博士まであった方がいいんじゃないの?と感じる人もいるかもしれません。そう考えると修士卒の私は中途半端とも言えるプロセスを経ていますが、振り返っての評価としてはこれで良かったんじゃねって思います。理由は以下の3つ。

①院試の勉強で、専門知識をしっかり学べた

大学院の入試(院試)を通過するため、英語と専門である言語学の勉強をしました。英語は学部入試程度に戻すよう頑張った感じでしたが、ここで言語学の専門用語や考え方の勉強をしたのはとても良かったと思います。

大学の授業のみでは、全体を広く学ぶ概論と、教授の専門をピンポイントで理解する講義という構成になりがちです。そんな中で、言語学の全体的な知識を分野ごとにしっかりと自学するという経験を持てたのは、ある程度専門として修めたという自信となってくれました。実際、私が言語学について話すときのほとんどの知識はこの際に得られたものをその後の院生活で深めて理解したものかと思います。

②修士論文を書く中で、「わかりやすく伝える」意識が育てられた

私の大学では、修士論文の目安字数は4万字でした。4万字を書き連ねていくにつれて、先生方からも「わかりやすさ」を求める指導が多くなったように思います。

そりゃそうなんですが、それだけ長い文章となれば、ものを述べる順番や構造化の仕方がより大切になります。また、そうしたマクロ的な話だけでなく、1文1文が何を述べたいのか、本当に必要かなどのミクロな観点もよく省みました。この経験は、企業で働く今も、書き言葉による伝達に生かせていると思っています。

③大学(院)生という身分を長く過ごせた

私は、学問活動以外にも学習塾でアルバイトをしたりしており、そこでも今の自分を形作るために重要な経験をたくさん積ませていただいたと思っております。組織運営について考えたり、教育や進路選択について考えたり、大人と話す経験を積んだりなどなど。

これらの経験は、大学院生という身分に甘んじていたからこそ、腰を据えて積むことができた経験だったと思います。これ以外にも、大学(院)生という身分は何かと便利なものです。その身分を学問活動以外にも生かせそうな時間があるのであれば、大学院へ行く積極的な理由の1つになるかもしれません。

これは修士課程修了の時の写真です

就活の際にも、「なんで院行ったの?」という質問はよくされましたが、大抵これらの理由から答えるようにしていました。

いろいろ考えつつあんまり後悔しないように

こんな感じで、大学院に行って修士課程で就職するという道を選び、まぁ良かったんじゃねって思っているという話でした。

大学院進学を考える皆さんにとって参考になる部分があれば嬉しいことです。

まぁとはいえ、未来のことはわかりません。自分の選択を後悔する時が来ることもあるかもしれませんが、その時に「まぁあん時は結構考えてそうするってしたからな」って自分を説得できる程度には考えて進路の選択をするのがいいのかもしれません。それでは、今後も人生ほどほどに。

役に立ったらお友達にシェアしてね
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次