経産省の教育事業を考える

こんばんは。部屋の掃除も済ませ、久々に何もない休日といったところなので何か書こうと思います。
今回は前々から書きたいと思っていた件で、経済産業省が行っている教育事業について、ちょっくら考えてみようと思います。

目次

教育といえば文科省ですが

一般的に、教育事業といえば文部科学省の所管であると捉えられていますが、経済産業省が教育事業を担っている部分もあります(学習塾やEdTech(エドテック)など)。特に、2018年にスタートした「未来の教室」事業以降、経産省が教育事業に関わる度合いが大きくなってきたのではないかなと感じています。

かつて、私が大学院に在籍していたころ、教員免許を取得するための(ほぼ)最後の授業である「教職実践演習」という授業内で、ご指導いただいていた先生が経産省のスタンスを批判されていたことを記憶しています。
詳細はあまり覚えていないのですが、おそらく経産省の「経済(≒お金)」をエンジンとした考え方を「教育」という領域に持ち込みすぎるのはいかがなものか、といったような内容だったように思います。

当時、先生が授業内で展開されるお考えに共感することが多かったのと、私が何も調べていなかったのもあって、その頃は「そういうもんか~」と思っていました。

ただ、のちに経産省に入省した友人と話して考えたことや、教育関連の民間企業で働く身になって思うことなどを踏まえ、いろいろと考えも育ってきたなと感じているので、ここで一つ書いておこうかなと。

「未来の教室」事業とは

「未来の教室」事業のaboutページを一通り読みましたが、なんとなくわかるようなわからないような……。笑

https://www.learning-innovation.go.jp/about/ より引用

とりあえず私の解釈でまとめると、教育に関するIT技術(EdTech)などを活用し、一人ひとりに合わせた分野横断的な学びを闊達に行える環境を作ることで、もっといい感じの教育をやっていこうぜ!って感じでしょうか。

もちろん、「もっといい感じの教育をやっていく」ことは、経産省にせよ文科省にせよ、民間の教育事業者にせよ学校の先生にせよ目指したいもののはずです。経産省は、もともと所管していた「塾やEdTech」といった側面から、それを推進していこうとしているってことでしょう。

そこにはもちろん、「経済・産業」がかかわります。民間企業は利潤を追求するものですから、「お金を稼ぐ」ことは非常に大切です。ただ、多くの企業は「何が何でもお金を稼いでやる」というスタンスを取らないことの方が多いと思います(もちろん例外もありますが)。それは、なんやかんやで他の人のためになることをした方が継続的にお金を稼げることが多いからかもしれません。そこで、教育においても消費者とwin-winの関係を築くことで、お金を稼ごうとする企業がいるわけです(弊社も顧客からそう感じてもらえることを願っています)。

今や、教育を熱意に任せすぎない方がいいんじゃないかとも思う

さて、どうしても国の活力の根っこは生産年齢人口であると感じます。「人口」と考えると大局的になり見えづらくなりますが、そこには一人ひとりの人間の人格形成が伴います。そしてそのためには教育が不可欠です。

今の日本の教育は、熱意のある先生方の熱意によって支えられています。ただ、昨今の環境変化(から来る人間の思考様式の変化)により、その教育モデルだけでは、充実した教育を行いきること、そして先生方が「充実した教育を行っているな」思い、ポジティブに教育に向かい合っていくことは難しくなってきているのではないかと思います。

そこで、熱意だけではない原動力として、「利潤の追求」のエンジンを借りるという発想も生まれてきます。子どもを金儲けのダシにすると言うとかなり聞こえは悪いですが、正直なところ、そうでもしないとマズくね?、もしくは、それってそんなにマズいことでもなくね?(学習者とwin-winの関係を築くことは可能なので)という話です。

私も教育関係の民間企業で働いている身ですので、正直なところ利潤を追求する活動に加担しています。一方で、教育機関で働く人々と良い関係を作っていくこともできるなっていう感覚も育ってきました。そうやって、私は私なりに、微力ながら日本の教育のために良いことをしていけるといいなとも思います(これも、直接教員にならなかった者の讒言かもしれませんが……)。

もちろん人口減は人口減として、別途対策をがんばっていく必要はあると思いますが、人口が増えれば勝手に良くなるものでもありませんし。教育は教育で力強く推し進めていかなければならず、その際に経産省の切り口は悪いものではないんじゃないかなっていう感じですね。

おわりです

経産省の教育事業も、今となった私としては、割とがんばってくれたらいいなって思います。まだまだ日本の教育課題は山積ですが、私も目の前にある仕事を1つ1つやっていきつつ、教育にいい影響をもたらせることを忘れないようにがんばっていきたいな~と思いました。

機会があったら教育事業にかかわる経産省の人と話したりできないかな~とも思ったりしますが、そのためには私も多少それに値するほど偉くなる必要がありますね……笑

そんなことも夢見つつ。ではでは失礼いたします。

参考

「未来の教室」(経済産業省):https://www.learning-innovation.go.jp/ (2023/4/16参照)
「経済産業省がなぜ教育に“参戦”するのか」(FNNプライムオンライン):https://www.fnn.jp/articles/-/275565 (2023/4/16参照)
「教員経験もある異色の経歴、経産省・五十棲浩二が描く『未来の教室』の姿」(東洋経済オンライン):https://toyokeizai.net/articles/-/641193 (2023/4/16参照)

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