共テ小話 Vol.2「足が遠くなる」の意味を解説(2021本試 小説問1(ア))

「共テ小話」は、共通テストの中でつまづきやすい語句問題を詳しく解説しつつ、ちょっとした言葉のお話をするコーナーです。

目次

「足が遠くなる」とは

辞書的な意味

比喩的な表現ですが「今まで行っていたところに行くことが少なくなる」が基本的な意味かと思います。「足が遠のく」とほぼ同じ表現として捉えられます。

選択肢の吟味

①訪れることがなくなった
②時間がかかるようになった
③合う理由がなくなった
④行き来が不便になった
⑤思い出さなくなった
→正答①

私も③を選んで間違えました。。。この設問が含まれる大問全体の解説でも書きましたが、「一層」という副詞が「訪れることがなくなる」という述語にぴったり合うのかな〜?と疑問を持ってしまったためです。

ただ、③の「理由がなくなる」というような意味は「足が遠くなる」に含まれる(置換される)ものではなく、「理由がなくなるから足が遠くなる」というように、因果を取れる(ズレのある)ものだな〜とも思いますし、辞書的な意味により忠実な①が正答と言われれば、まぁそうかなとは思います。

ことばのお話

上述したように、「足が遠くなる」は比喩的な表現です。本当に(文字通りに)「足が」「遠くなる」わけがないからですね。

「〜のような」といった表現を使わない比喩のことを「暗喩」「隠喩」と言いますが、その場合は「どこからが比喩でどこまでが比喩でないか」の境界線は不明瞭になります。

「彼は狼だ」は比喩ですが、「彼はピエロだ」は果たして比喩である場合と比喩でない場合があります。そのあたりは、以前に高尾山の記事にも書きましたので、よかったら息抜きがてらどうぞ。

ではではそんなところで。いつも皆様お疲れ様です。

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